住宅会社の選定において、複数の住宅会社から間取りや見積もりを提案してもらうことがあると思います。住宅はとても高額な買い物ですから、比較検討をすることは当たり前であり、その中から適切な提案をしてくれる住宅会社を選ぶということはある意味当然だと思います。
私も住まいづくりの相談をいただく折には、できれば複数の会社から提案を受け、その中から自らの考えに沿う適切な提案をしてくれる住宅会社を選ぶことをお勧めしています。その中でも今回のご質問のような話は出てくるのですが、結論から申し上げると、提案された間取りや見積もりを競合相手に見せることはすべきでありません。なぜならば、どの住宅会社も無償で提案をしてくれ、相当な時間と労力を掛けて作っているものであり、了解を得ずに他社に見せるということはモラルに反するからです。
住宅会社は受注を目指し提案をしてくれます。そのほとんどは無償です。提案物はその会社のものであり、それを承諾を得ず、他社に見せるということは道義的に問題があります。仮に他社が提案した間取りや見積もりを見せて欲しいと言われる会社があるとすれば、その会社はお断りをした方が良いかも知れません。モラルに反することを平気で求める会社は選ぶべき対象ではないように思います。
最終的に建築をお願いする住宅会社は一社です。甲乙付け難いと思いながらも選ばなければならない場合もあるでしょう。選ばなかった住宅会社の提案で採用したいと思うものもあると思います。その場合は自分の記憶として、自分の口で、自分が書いて、説明をして、取り込んでもらうよう検討してもらって下さい。
住宅会社の選定において大事なことは、間取りや見積もりなどのプレゼンテーションの提案だけでなく、担当者の仕事ぶりや住宅会社の姿勢、建築現場や入居者の評判など、総合的に見て判断することが大事です。特に価値観を共有できるか否かはとても大事なポイントになりますので、それらを考慮にいれながら、自分に相応しい住宅会社を選ぶことを心掛けて下さい。