今年の冬は暖冬だったゆえ、冬を実感しないまますぎた感がありますが、毎年この時期になると気持ちが引き締まる思いがします。
新年度に生活環境が大きく変わる方々も多くいらっしゃると思いますが、これを機会に何か新しいことに取り組まれる事をお奨めします。
住宅コンサルとしてお奨めしたいのは、住宅取得の折に役立つ財形住宅貯蓄です。財形住宅貯蓄は、勤労者の持家取得の促進を図ることを目的とした勤労者財産形成促進法に基づく貯蓄で、定期に給与天引き預入により積み立てるものです。給与天引きですから貯蓄するには最適の方法ですし、一定の期間続けると利息も非課税になります。また、公的機関で最も安い金利の財形転貸融資が使えるのも魅力の一つです。
給与天引きで取りが少なくなっても、最初に引かれていればそれなりに生活をするものです。その生活に慣れた頃にもう少し財形の天引き額を増やします。そうやって続けていくと、知らず知らずのうちに結構な金額が貯蓄出来ます。
実は、これは住宅ローンのシミュレーションにもなります。家賃+天引き額がローンの支払い可能額と思って下さい。今まで支払った事の無いローンを組むのは不安が付きまとうものです、ローン支払の訓練だと思って財形貯蓄を始めてみてください。
財形貯蓄の本当の効果は、実際に借入れを申し込んだ際に出てきます。財形転貸融資なら最高貯蓄額の10倍まで借入可能です。(上限あり)民間のローンを使用する場合にも、長期間に亘ってこつこつ貯蓄を続けてきた方と見られますので、貸付けに対しての個人信用はより高くなります。
住まいづくりを将来的にお考えの方は、メリットあってデメリット無しの財形貯蓄を是非始めてみてください。最初の一歩なくしてスタートは切れません。頑張りましょう。
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新年度を前に
年度末 引越し
時節柄、引越しの車を多く見かけるようになりました。
年度末は仕事の転勤や学校の就学もあって一年でもっとも引越しが多い時期です。それを見こして中古住宅や建売住宅の広告もこの時期は大変多くなります。
賃貸住宅の場合、引越し費用の他に敷金や礼金、業者への仲介料等がかかります。お子さんのおられるご家庭では、学校が変わることによる新しい制服や教材費もかかったりします。
結構出費がかさむもので、これを機会に住宅取得を考えようかという方がいらっしゃるのもうなずけます。
賃貸住宅に支払う家賃も、自己資産の為に払うローンも同じ住居費です。いつかはマイホームと思っている方でしたら、自分の物になる支払の方が納得感もあります。
そうなってくると、購入計画が動き出すのですが、注意点は購入をあせらないという事です。不動産という大きな買物をする訳ですから、物件の確認はさることながら、近隣の評判、利便性、重要な資金計画等は十分検討出来る時間を確保して下さい。
業者さんによっては、「年度末だから決算割引が出来ます」と言って、契約を早期に迫るケースもあるかもしれませんが、物凄く急がなければならない理由がハッキリしている場合を除いては避けられた方が得策です。実際トラブルや後悔は、こういうケースの時に起こるものです。
急がば回れの精神で購入検討をしましょう。
相続時精算課税制度
現在、確定申告の季節ですので、住宅取得に関しての税制の中で特に変わってるものをご紹介します。
平成19年12月31日まで相続税精算課税制度の住宅取得贈与の特例が延長になっています。この制度は解りやすく言えば、世界一の貯蓄国といわれる日本の高齢世帯の資産を、子世帯に消費させることによって景気浮揚を目指す為の制度です。
『お金はあの世に持っていけない。』のは事実で、現実には被相続人の資産額によって、相続人が相続税を支払わなくてはなりません。いずれ相続によって資産の移行を考えなくてはならないのであれば、生きたお金の使い方をするのも得策ではないでしょうか。
住宅取得の為の贈与を年内に完了させようと思うと、意外と残り期間は短いといえます。期間の再延長がなかった場合、来年に住宅完成して来年贈与をした場合、一千万円贈与可能額に差が出ます。贈与額の上限がかなり高額ですので、ケースにあてはまる事は少ないと思いますが、この機会に、親、子、孫と資産の移行を考えてみてはいかがでしょうか。
不動産市況
現在、岡山での不動産の取引が活発になってきています。
昨年来、デベロッパーを中心に大型の取引が増えてきていましたが、最近では個人の方の住宅用地の購入意欲も高くなってきており引き合いが増えています。
景況感が良くなり、ここ10年来の不動産不況から見れば歓迎すべきことですが、気になるのは地価の上昇です。
現在のところは、人気のある特定の場所だけ高くなっていますが、そうでない所は以前と変わらないという状況でバブル時代のように全体が一律に上がるような現象にはなっていないのが救いです。
バブル時代のように実態とかけ離れたところでのマネーゲームのようにだけはなって欲しくないと願います。
その為にも周りに踊らされる事無く、冷静に客観的に「なぜ必要か」「自分の購買能力」等を考えて購入決定を行うように心掛けて下さい。
会社の破産
今年になって岡山市内の工務店がいくつか破産しました。
直前まで大きな広告をしていたところもあったせいか、被害にあわれた購入者の方がいらしゃるように聞きました。
過去に同様の件で相談がありましたが、破産申請をした後ではどうする事も出来ません。手続きが司法の場に移ってしまっている事もあり、個人的な対応は出来なくなります。手続きが進み、債権者(契約者)に対する方向性が出るまで待つしかないのが実情です。
トラブルを避けるには、資金繰りの危なくなっている会社を避けるしかないのですが、上場企業でもない限り一般の方が経営実態を把握する事は困難かと思います。
そんな中で出来る事としては、同業者や金融機関の方にいろいろ尋ねて見ることぐらいでしょうか。(知人が要ればベターです…)
「火の無い所に煙は立たない」と言われる通り、何かあれば変な噂を耳にするものです。万が一、そんな噂を聞くようなら慎重に対応してみて下さい。
今回のケースで私が実感したのは、住宅雑誌や広告チラシは広告主の実情とは全く違う顔を持っているケースもあるんだという事です。
広告宣伝には十分気をつけましょう。
前回の続き・・・
前回、岡山のマンション事情について少しだけ紹介しましたが、それに関して数件メールをいただきました。
そんな中で単刀直入に「岡山でのマンションの購入が得か損か?」という質問がありました。
これは難しい質問です。利用の仕方や購入の動機によって様々な見方があるので一概には損得は言えません。ただ、私の意見は岡山でのマンション購入は限定された場所次第でそれを外すと得は無いと思います。
本来マンションを立地するような場所は地価が高く、とても個人住宅を建てるような場所では無い地域(駅前とか容積率の高い地区)です。
岡山駅前など市内中心部はそれに当たりますので、この様な場所のマンションは本来のメリットが生かせ資産価値も高く問題はないでしょう。
損だと思うのは郊外マンションです。販売価格も手頃でお求め安い物が多いのですが、正直マンションの立地場所としては当てはまっていません。
この様な立地のマンションは将来中古価格が値崩れしてしまい資産価値が極端に悪くなります。よって住替が困難になり、賃貸価格も高く望めません。
岡山は近県に比べて地価の安い地域です。平野が広く環境の良いところが四方にあります。一戸建てが可能な場所には本来マンションは適しませんからその当たりを気を付けて検討して下さい。
安いからと言って下手な買いにならぬよう気をつけましょう。特にローンをする買物ならなおさらです。
マンション購入
最近、無料相談で多いのが「マンション購入」についてです。
当社では、新築住宅の請負工事を業務のメインとしていますが、現在の世情も反映してか「マンションの購入」に関しての相談事多くなっています。
マンションは出来上り品の購入ですので「売買契約」になります。
いわゆる建売住宅の購入なのですが、実際には建築中にモデルルームを見て購入を決断する、というのが他と大きく違うところです。(この業界では建物が完成するまでにいかに完売出来るかどうかがポイントのようです)
相談の多くは、
「住み替える時にいくらで売れるのか?」
「戸建てとマンションでは将来を考えたらどちらが良いか?」
「共同住宅であるデメリットは?」
など、購入後の展開についてのアドバイスを求めてこられているケースが多く、ほとんどの方が「購入は決めているが最後に客観的な意見が聞きたい」との思いでご相談いただいているようです。
コンサルタントが増えてきた
昨年末から今年にかけて住宅購入のセカンドオピニオンを業務としたコンサルタント会社が数社出来たようです。
以前もお話しましたように、首都圏では多くの方が代理人を活用して不動産を購入していますが、岡山でもようやくその流れがきたように感じます。
不動産の購入に関してプロがお手伝い(バイヤーズエージェント)をしたりアドバイスを行ったりするということは、消費者側の味方が増える意味では大いに歓迎すべきことですでが、その分自分にあった代理人を探し見極める必要も出てきたのだと思います。
コンサルタントを行っている私自身も、日々勉強を怠らず人間性を磨き、常に客観的なアドバイスが出来るように心がけていきます。
今年最後のセミナー
23日に最後のセミナーがありました。場所は福山で出席者は8名と少なかったですが、皆さん来年度中には必ずマイホームを持たれると言うことで、かなり熱心に話を聞いていただきました。中にはマンションを検討されている方もおられましたが、話は参考になったようです。
このセミナーは知り合いの設計事務所さん主催の勉強会で、違った角度での話と言うことで参加させていただきました。参加者の方は皆知識も豊富でポリシーも持たれている方々でしたが、興味をもたれたのは営業マンとのやり取りや住宅会社の考え方だったようです。こういう事は、外からでは知るすべのない事なので話が盛り上がったようです。
住まいる岡山
12月12日に岡山県の不動産検索サイト「住まいる岡山」がオープンしました。従来あった検索サイトは、一部の情報を除き登録業者しか検索が出来なかったのですが、「住まいる岡山」は一般の方が自由に検索することが出来るのが大きな特徴です。
同様のサイトを10年前から導入している福岡県の「フレンズ」は、現在登録物件数約3万件、ページビューも800万ページビューを超えているとのことです。インターネットの普及がこのサイトを生み出す事になったのだと思いますが、自宅に居ながら不動産の情報を手に入れれる事は購入希望者にとっては大変喜ばしいことだと思います。
反面、気を付けないといけない事として、不動産という特殊な買い物を当事者同士だけで売買をすることは大きなリスクを伴いますので、当社でも行なっています買主側の代理人(バイヤーズエージェント)を立て取引することをお勧めします。そうすれば、事前にリスクを確認出来安心して購入する事が出来ます。機会があれば一度サイトを覗いてみて下さい。
不動産検索サイト「住まいる岡山」 http://www.ok-smile.jp
お引渡し
コンサルティングをさせていただいたお客様のお引渡しがありました。私自身も住宅会社で営業をやっていましたので数多くのお引渡しを経験させていただいていますが、こればかりは何度立ち会っても本当にいいものです。
大変高額で多くの方が一生に一度の買物となるだけに、手に入れた時の感動は何物にも代えられないものがあると思います。今まで住んでいた環境と比べ、とても広く綺麗で便利な設備が装備されている新築の生活は、とても快適で気持ちも豊かになるのだと思います。引渡しを受けるまでには、多くの時間と様々な出来事があるだけに一つのイベントが終わってほっとした穏やかな気持ちにもなります。そんな場面に立ち会うと、住宅を購入するというのは本当に良いことなんだと思います。
住宅の購入は多くの幸せと満足を手に入れます。反面、住宅ローン等大きな責任も同時に背負う事にもなります。それだけに失敗しない家作りをすることはとても重要で大切な事だとあらためて強く思う出来事でありました。
住宅ローンについて
コンサルティングさせていただく中で住宅ローンの相談も多くいただきます。相談の中で一番多いのが「どのローン商品を選択したらいいのか」と言うものですが、これはかなり難しい質問です。
そもそも将来の金利状況を読む事は不可能だと思います。金利が決まる仕組みは、世の中の景気動向や政策的なもの国際状況等からかと思いますが、我々がそれを予測する事は困難な事です。
経済評論家やファイナンシャルの専門家の方々がメディアを通じて予測をされたりしていますが、この10年余りを振り返って見てみてもあまりあたっていたようには思われません。
相談を受けた場合には、上記の事を前提としてお答えしているのですが、「あまり先のことを考えて何が最適か考えるより、今のライフスタイルに一番合っているものをまず選択し、将来臨機応変に変える事が出来るローン商品を選択した方が良いでしょう」申し上げています。
実際、私自身も住宅ローンを3回組み替えていますが、ローン商品も都度変わりますし、後になるほど良い商品が出てきたりしています。
自分の変化していく生活状況に合わせて見直したりセレクトしたりする事が出来れば失敗したと言う事はなくなるように感じます。もちろん、最初組んだものが良ければ継続していけばよいだけです。
そんな視点で検討してみて下さい。複数の商品を組合せてみるのも方法です。